子どもへのスピーチの指導~原稿を完成させるまで~

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卒業式が近づいています。卒業式の後には入学式もあり,生徒会担当や国語科の先生は答辞や送辞,はなむけの言葉の指導もされるのだろうと感じます。今回自分も縁あって,送辞とはなむけの言葉の指導をしました。自分自身への覚書としても,自らの学びを書き留めます。

見返してみると,全体を通して,自分の大学院生時代のライティングのチューターとしての経験が非常に役に立っていると感じました。

役割と目的を確認する

まずはその役割や目的を伝え,責任感を持ってことにあたってもらえるようにします。学年や学校の代表となる子どもなので,元からやる気があるとは思いますが,学校にとって,他の生徒(卒業生や新入生など)にとって,どれほど大事な式典なのかを理解できるように伝えます。

過去の先輩の文例を見せる

可能であれば過去の先輩の言葉を2年から3年分ほど渡し,読んできてもらいます。過去の作品を見ることで,自分が求められている役割がどの程度のものなのか分かります。また,次項で一緒に構成を考えるときも,過去の文章を渡しておくことでどんな要素を加えたいのか子どもの意見が出てきやすくなります。

一緒に構成を考える・分量の目安も伝える

過去の文例を見せてから,一緒に文章の構成を考えます。ここで文章の柱をつくることで,子どもの書いた文章なかで複数の内容が混ざることを防ぐことができます。

例えば,送辞の場合,

あいさつ→先輩への全体的なメッセージ→具体的なエピソード(委員会・部活・学校行事)→伝統を引き継ぐ意思→再度・お祝いと締め

といった構成が考えられます。子どもから委員会ではなく,○○を入れたいというような言葉が出るようにしたいです。

要素を分けることで,部活についてはいいけど学校行事についてはもう少し内容を精選しよう,といったことが提案できたり,一部だけでも肯定的に取り入れつつ推敲をしていくことができました。

子どもが実際に書く

文章を書くのはここからです。大幅な校正を避けるため,ここまではメモ程度に内容を書いていても,文章にはしません。上の項までに話の構成を決めているので,それぞれの要素について30秒程度のスピーチを組み立てていくというようなイメージで文章を書くことができます。これによって1200字程度の文章も2日ほどで書くことができていました。また,この作業には時間がかかるため,自宅で書いてきてもらうようにしました。

一緒に推敲する

子どもが持ってきた文章を一緒に推敲します。赤を入れるだけではなく,これはこういうことが言いたかったのか,それだったらこういう書き方もできるのではないかといった話し合いをします。文章を書くにあたって子ども考えたこと,伝えたかった意図を,より伝わりやすくできるように構成や表現を一緒に考えるイメージです。

まとめ

先生として「教える」のではなく,子どもと一緒に子どもが伝えたいことを「考える」立場で考えました。学年や子どもの書く力によって様々な手法があるとは思いますが,子どもの思いをより伝わりやすくできる手助けができるといいなと考えています。

ここまでは原稿ができるまでです。ここから発表までの道のりもまた簡単なものではありません…。

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