新しい評価の観点・評価方法はどうなるの?

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校内で教科会も行う予定なので,「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料をまたまとめてみました。

中学校外国語科の内容のまとまり

4技能5領域がこれにあたる:聞くこと・読むこと・話すこと(やり取り)・話すこと(発表)・書くこと

→それぞれのレッスンや単元で主として扱いたい領域を決定し,それに対する能力文を考える。

まとまりごとに評価規準を作成する

「知識・技能」,「思考・表現・判断」,「主体的に学習に取り組む態度」のそれぞれについて

知識・技能思考・表現・判断主体的に学習に取り組む態度
知識 :英語の文法などの決まりを知っているか (今までの知識理解) 技能 :実際のコミュニケーションで使えるか (今までの表現や理解も入る)コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じた言語使用ができるか (今までの表現や理解も入る!)外国語の背景の文化への理解を深め,相手に配慮しながら主体的に英語を使う (テストのなかでも判断できる・英検のアティチュード) 粘り強く,見通しを立てて,振り返りながら学習を進めている (年間を通じて指導)
「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料(p.31)を基に作成

上のように整理すると,今回の改訂で教員として説明を明確にすべきことは

①1つのパフォーマンステストから3観点を同時に判断する(こともできる)ということ

②「知識・技能」と「思考・表現・判断」とを区別すること

③「主体的に学習に取り組む態度」は,言語活動への取組と,学習の調整との2つで判断すること

1つのパフォーマンステストで3観点を同時に判断するって?

これまでも英語の授業において,パフォーマンステストやインタビューテストを行ったこともあるかと思います。これからの新評価では,パフォーマンステストの機会が増えるのではないでしょうか。目安としては,単元ごとに5領域の中のどれかに焦点を当てた指導を行い,それの評価を行います。例えば,10個の単元があるとしたらそれぞれの領域ごとに2回ずつ扱うことになります。ということは,話すことは「やりとり」と「発表」の2種類×2回で年4回…。結構大変ですね。

そのパフォーマンステストで,1回のテストごとに3つ全ての観点を同時に評価する(こともできる)ようになります。例えば,買い物のパフォーマンステストなら下のような評価規準が考えられます。

知識・技能思考・表現・判断主体的に学習に取り組む態度
買い物の場面において,自分の注文したい内容を.正確な単語や文を用いて伝えあう技能が身についている。買い物の場面において,自分の注文したい内容を.単語や文を用いて正確に伝えている。聞き手に配慮しながら,丁寧に伝えたい内容を伝えている。

ざっくりいうと,「知識・技能」では英語として正しいか,「思考・表現・判断」では目的にふさわしい,「主体的に学習に取り組む態度」では相手意識をもって言語使用ができているかと評価することになります。もっと端的に言うと,買い物ができて目的を達成できれば,単語レベルだったとしても,「思考・表現・判断」は達成できたことになります。実際に海外旅行で単語だけでも買い物ができることもありますし。相手意識をもって話すというのは,話すスピードや声の大きさも関わるとは思いますが,子どもの性格も関わってくるように思います。学習の調整とうまく連携させることで公平な評価に近づけたいところです。

「知識・技能」と「思考・表現・判断」とはどうやって区別する?

上の項でも書きましたが,「知識・技能」と「思考・表現・判断」の区別を明確に説明する必要があります。資料を読んだ限り個人的には,「知識・技能」は英語として正しいか,「思考・表現・判断」はパフォーマンステストの目的を達成できたか,の観点で見ることになると考えています。また,「知識」に関していえば,従来の文法問題などで評価をすることも可能であるのではないでしょうか。さて,パフォーマンステストのC基準とB基準の区別は明確ですが,どうやったらA基準になるのでしょうか…。ここはテストをつくるときに十分検討をしなければいけません。

「主体的に学習に取り組む態度」は,言語活動への取組と,学習の調整との2つとは?

言語活動への取組は,英検のアティチュードにあたる部分だと思います。評価されると感じていれば,基本的には「概ね満足できる」レベルに到達しているのではないかと思います。(これはいわゆる英語力はあまり関係しません。)では,どうやったらA基準になるのか。「思考・表現・判断」と同じジレンマに陥るようにも感じます。個人的には,ここではあえてアティチュードのA基準は設けなくてもよいように感じています。もう一方の,学習の調整と掛け合わせて,

B(言語活動への取り組み△・学習の調整○)A(言語活動への取り組み○・学習の調整○)
C(言語活動への取り組み△・学習の調整△)B(言語活動への取り組み○・学習の調整△)

のように評価するのが分かりやすいように感じています。

この評価方法のよいところは,テストでアティチュードが良ければB評価にはなるところでしょうか。ただ,残念ながら自分の学習を適切に振り返る(調整する)ことができなければA評価にはなりません。さて,どうするか…。

コメント

  1. […] […]

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