GIGAスクール構想についての批判的な書籍の感想

Book Review

久しぶりに記事を載せます。どうやら履歴を見ると3か月近くぶりになっているようです。ブログに投稿する時間を他に充てていたところもあるのですが,時間が経つのが早いなと感じるところも多いです。

3か月ぶりの投稿ですが,偶然図書館で見かけて読んだ本の紹介と感想を載せようと思います。物江潤さんの執筆された「デジタル教育という幻想 GIGAスクール構想の過ち」という一冊です。

私自身GIGAスクール構想のもと整備されたタブレット端末をよく使う側の教員だと感じています。それもあってGoogle認定トレーナーの資格も取得しましたが,中庸な塩梅を保つことも重要ではないかと感じています。

そのような中みかけたこの一冊は,これまでになく批判的・ある意味では否定的といえるまでの強硬な姿勢でGIGAスクール構想について論考を述べていました。本自体の紹介は公式の概略を引用させていただきます。

学校現場でのICT機器活用を目指すGIGAスクール構想で、生徒一人につき一台のタブレット端末が支給され、機器の「制限のない自由な使用」が目指されている。電子黒板やタブレット端末を使用した授業は今や当たり前のものとなっており、教室の風景はこの数年で様変わりした。
デジタル化によって教育環境は充実するかと思いきや、実態は政府が描く理想からは程遠い。
ネットに慣れ親しみ、普段からゲームアプリやSNSを使いこなす子どもたちは、端末にかけられた規制の「抜け道」をたやすく見つけ出し、動画サイトにたどり着く。端末を「使いこなす」子どもに、膨大な業務に追われつつ、対策に苦慮する教員たち……。現場と乖離した理想を描くGIGAスクール構想の是非を問う。

ここからは私の感想を書いていきます。さすがに,身の周りでデジタル端末を自由に使いすぎて学級崩壊の様相になっているまでの事例を耳にすることはありません。ただ,学校現場の準備時間が十分ではなく,扱いきれていない部分もあるのかなと感じています。このあたりは徐々にということだと思うのですが,現場レベルで落とし込まれるのはもう少し先なのだろうなという印象です。

デジタル教科書の活用については,難しい問題だろうなと感じています。先日も英語でのデジタル教科書の活用方法について,文部科学省の直山調査官と堀田先生の対談を視聴することがありました。デジタル教科書が活用されている授業の事例の紹介をされていましたが,デジタル教科書が「紙の教科書に変わるものなのか」,「協同学習の際に活用できるものなのか」,「全く新しい何者かなのか」具体的なイメージを持つことが難しいと感じました。個人的には,英語の学習では英語音声を聞くことが非常に重要なので,その環境が整っただけでも魅力を感じているところですが,さらに一段階上の活躍の可能性があるように感じています。

物江先生は塾講師ということで現場の教員の声を言語化したものではありませんが,第三者の視点からの批判的な考察は現実の一側面を示しており,一読し考えを深める価値があるように感じました。そこでGIGAスクール構想がダメならどうするか,一切の使用禁止なのか,適度に扱うのか,適度とはどのような状態か,など本書をきっかけに議論を深めることもできそうです。

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