拍子の違いを感じてみる
2年生の音楽では曲の中で二拍子と三拍子の違いを感じる題材が続きます。今週の授業ではマーチとメヌエットを扱います。マーチは二拍子、メヌエットは三拍子の曲になります。
拍子を感じる題材が続くので不思議に思っていましたが、理由はちゃんとあるようです。また、拍子の感覚がまだ身についていない子どももたくさん鑑賞して、身体活動に結びつけていくとだんだんにできるようになっていくようです。今年1年を通して成長を見てみたいと感じています。
たくさんの曲を鑑賞するとよいということで、今回は聴いたことがありそうなマーチとメヌエットを何種類か集めてみました。

2拍子や3拍子を感じ取らせたいと指導しても,拍子打ちの形はまねをしても音楽と合わない手拍子をしていて力がついていきません。 - 教育出版
【答え】 2,3拍子の曲をなるべく多く表現・鑑賞させることが重要です。 【なぜ...
授業の流れ
音楽が専門ではありませんが、自分も興味があるので楽しみながら授業をしています。流れとしては、
①帯活動(リズムトレーニング)
②導入:新教材を聴いてみる。めあてを提示する
③展開:身体活動や言語活動と結びつけて内容を深めていく
④まとめ・ふりかえり:めあてにもどって学びをふりかえる
という流れで今のところ授業を進めています。ふりかえりをポートフォリオ形式でできるようにしたいなと感じるこの頃です。
「5分間音楽が止まれば音楽の授業ではない」という音楽専科の先生の言葉を胸に実践に励んでいます。個人的には、英語の授業でよく行われる帯活動を継続して、子どもの力を伸ばしていきたいと感じています。
マーチ(行進曲)
マーチといえば、アンパンマンのマーチとドラゴンクエストのマーチが浮かんでしまう世代ですが、他にもドラえもんのマーチなども低学年のこどもにとって身近かと思います。ドラゴンクエストのマーチは意外に知らないんじゃないかという気もします…。後はミッキーマウスマーチを教科書付属の音源で聴きます。
すすめ!ドラえもんマーチ
アンパンマンのマーチ
ドラゴンクエストのマーチ
メヌエット
素人の私からすると、マーチと比べたら少しクラシックで遠く感じてしまうメヌエットです。ワルツも三拍子で良さげな気もしますが…。有名なペツォールトの「メヌエット ト長調」の他にボッケリーニのメヌエットと「アルルの女」のメヌエットを聴いてもらおうと思います。メヌエットではないですが、有名なジブリの曲として「人生のメリーゴーランド」も三拍子です。
メヌエット – ボッケリーニ

音楽と原曲 外国語にも興味のある個人として、音楽の授業で外国語の曲が扱われるときにはできる限り原曲も聞かせたいと感じています。今回は2年生の「はしのうえで」と「たぬきのたいこ」の原曲をまとめてみました。YouTubeとGIGAスクール構想によって日本の音楽の授業で普段から原曲を聞きやすくなりました。時代の変化を感じます。 はしのうえで 「はしのうえで」は小学校2年生の音楽の教科書にも掲載されている曲で、原曲はフランス民謡です。題材としては、拍の違いに親しむために設定されており、三拍子の「たぬきのたいこ」と連続して扱われます。 https://www.youtube.com/watch?v=uJKfxtYAt0s フランス語版 https://www.youtube.com/watch?v=6xfF08fhgCY 英語版 英語を教えていた人間として英語版も載せておきたいところ…。 たぬきのたいこ 「たぬきのたいこ」は、原曲はチェコ民謡です。三拍子の曲で、リズム遊びをしながら二拍子と三拍子の拍の違いに気づかせたい教材です。こちらはすでに内容まで詳しくまとめてくださっている方がいらっしゃったのでそのブログ記事を参考にしました。 『アンダルコの歌 Andulko mé dítě 』は、日本の小学校で『たぬきのたいこ』として歌われるチェコスロバキア民謡。『かわいいアンダルコ』とも題される。http://www.worldfolksong.com/songbook/czech/andulko.html https://www.youtube.com/watch?v=1XKsjXUAl0A 日本語版 https://www.youtube.com/watch?v=qARTeYJXUtA チェコ語版 https://www.youtube.com/watch?v=P0JOAouveYQ かわいいアンダルコ 参考:アンダルコの歌 かわいいアンダルコ http://www.worldfolksong.com/songbook/czech/andulko.html 原曲の『アンダルコの歌 Andulko mé dítě 』の間奏部分は三拍子ではありません(知識が不十分で病拍子までは分かりませんが…)。子どもにその部分に気づかせることができたら拍子に気づけていると言えるかもしれません。
In "Elementary School/小学校"

明日(7月24日)に地域のギタースクールの発表会に参加させていただきます。そこで二重奏で大山組曲の第三番を演奏するため、公民館で練習をしました。 呼吸・拍を合わせる 二重奏で演奏をするためには、拍を合わせることが重要です。自然な流れの中にぴったり演奏できると心地が良いです。息を合わせるという言葉にあるような感覚なのだと思います。 独奏だと自分で自由にできるところや表現も、二重奏だと相談をしながら音楽を作っていくことにもなります。音楽的な理解や技術面を含めた、アンサンブル能力が向上すると感じています。 強拍の練習 大山組曲第三番はボレロ形式です。ボレロはもともとはスペインの舞曲で、三拍子が特徴的です。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%AD_(%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E9%9F%B3%E6%A5%BD) 大山組曲にも曲の最後に三拍子の部分があります。ここのリズムの感覚がすぐには掴めませんでした。三拍子ではなく八分の六拍子に聞こえるということで、練習をしました。 ラスゲアードのアップストロークでアクセントをつけられなかったためです。ラスゲアードそのものの練習が足りませんでした。練習をして少しマシになりました。 速すぎて演奏できない時 上に書いた三拍子の部分について、はじめはすごく「速く」聴こえて演奏が難しいと感じていました。拍の感覚がつかめることで、力を入れるべきポイントが掴めてだいぶ楽に演奏できるようになりました。 もしかしたら速くて難しい曲の中にも、同じような理由で弾けていない曲があるのかもしれません。
In "Classical Guitar/クラシックギター"

小学校での勤務が始まり、さまざまな教科について学び直そうと思いました。その中で重要な意味を持つのは学習指導要領になります。今回は音楽の指導要領解説を読んでみました。低学年の目標と、共通事項の音楽を形作っている要素についてまとめていきます。 音楽科の全体目標 表現及び鑑賞の活動を通して,音楽的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の音や音楽と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。(1) 曲想と音楽の構造などとの関わりについて理解するとともに,表したい音楽表現をするために必要な技能を身に付けるようにする。(知識・技能)(2) 音楽表現を工夫することや,音楽を味わって聴くことができるようにする。(思考・判断・表現)(3) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽を愛好する心情と音楽に対する感性を育むとともに,音楽に親しむ態度を養い,豊かな情操を培う。(学びに向かう力) 音楽の授業では、普段の生活の中で関わることのある音楽により豊かに関わることができるように、表現や鑑賞を行います。そのために歌う、楽器を演奏する、音楽を作る、音楽を聴く活動を行います。また、「活動を通して」楽しい音楽活動を行えるようにします。また、音楽を聴いて感じる心の動きを、「音や音楽を要素とその働きの視点で捉え」ることで、授業で音楽的に深めることができるようになります。また、要素を知ることが音楽の面白さや美しさにより気づきやすくするきっかけにもなります。表現や鑑賞をするときに、自分のイメージを持って、音楽の要素を活用しながら表現・鑑賞活動をできるように指導したいものです。 低学年では… (1) 曲想と音楽の構造などとの関わりについて気付くとともに,音楽表現を楽しむために必要な歌唱,器楽,音楽づくりの技能を身に付けるようにする。(2) 音楽表現を考えて表現に対する思いをもつことや,曲や演奏の楽しさを見いだしながら音楽を味わって聴くことができるようにする。(3) 楽しく音楽に関わり,協働して音楽活動をする楽しさを感じながら,身の回りの様々な音楽に親しむとともに,音楽経験を生かして生活を明るく潤いのあるものにしようとする態度を養う。6年間(9年間)の見通しを持って、音楽との出会いを大切にしたいです。曲の感じと音楽の構造について知り、そのための要素を理解し、技能を身につけること、イメージをもって表現すること、楽しく協力して音楽活動をすることが求められます。 共通事項の音楽を形作っている要素 6年を見通す上で、共通事項となる音楽の要素や仕組みは、教員が理解したいものです。適切な言葉かけをしていくことで、子どもの音楽の学習に深まりが生まれると考えられます。 ア 音楽を特徴付けている要素 音色様々な音の特徴リズム音楽の時間を刻むもの速度基準となる拍が繰り返される速さ旋律音の連続的な高低の変化がリズムと組み合わされ,あるまとまった表現を生み出しているもの強弱音量のように数値で表されるものや,曲の各部分で相対的に感じられるもの音の重なり複数の音が同時に鳴り響いていること和音の響き音の重なりのうち,長調や短調など主に調性のある音楽において音が重なることによって生まれる響きのこと音階ある音楽で用いられる基本的な音を高さの順に並べたもの調ハ長調やイ短調などの調性のことであり,音階で特定の音を中心に位置付けることで,それぞれの音楽の特徴を生み出す重要なものの一つ拍音楽に合わせて手拍子をしたり歩いたりすることができるような,一定の間隔をもって刻まれるものフレーズ音楽の流れの中で,自然に区切られるまとまり イ 音楽の仕組み 反復リズムや旋律などが繰り返される仕組み呼びかけとこたえある音やフレーズ,旋律に対して,一方の音やフレーズ,旋律がこたえるという,呼応する関係にあるもの変化音楽を形づくっている要素の表れ方や関わり合いが変わることによって起こるもの音楽の縦と横との関係音の重なり方を縦,音楽における時間的な流れを横と考え,その縦と横との織りなす関係 注これらの音楽を形づくっている要素を扱う場合,児童の発達の段階や教材曲に応じて,適宜,音楽を特徴付けている要素及び音楽の仕組みのうち,適切なものを選択したり関連付けたりしながら,見通しをもって繰り返し指導し,学習が深まっていくようにしていくことが重要である。 感想 今回音楽の授業を行うことになり、専科の先生と指導案を検討する機会がありました。その際に話で出たのは、「音楽についてどれくらい知っているか」ということでした。学校で教えるときに、学習指導要領は一つの指針になるものだと思います。特に、共通事項は英語でいう「単語や文法」のようなものかと感じました。今回の学びを今後に生かしていきたいです。 参考資料 文部科学省 『小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説音楽編』 国立教育政策研究所『「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料』2020年
In "Elementary School/小学校"